『捜神後記』(そうじんこうき)は、中国六朝時代の陶潜(陶淵明)撰とされる志怪小説集である。『続捜神記』とも呼ばれる。
概要
10巻。干宝撰の『捜神記』のあとを継ぐものとして書かれたと推測されている、奇怪な話、面白い話などの説話 113編を収録している。他の志怪小説集と同様、原本は残存していない。
撰述者に関しては、『隋書』経籍志に陶潜の撰と記されており、それは巻1に『桃花源記』が収録されていることを以て根拠としているが,陶潜没後の年号を記す話が収録されている、また魯迅などは、陶潜は鬼神の話ごときに心を惹かれる人物ではないから偽作であろうと述べている。塩谷温も「晋の陶淵明の撰なりと稱すれども固よりその原撰に非ず」と断定し、後人の仮託であるとしている。
唐・宋代にはどの書目にも言及がないが、明の崇禎年間、蔵書家の毛晋によって編纂刊行された『津逮秘書』第155冊に収められた。
日本語訳書籍
- 前野直彬編訳 中国古典文学大系 24 『六朝・唐・宋小説選』 1968年 平凡社 ISBN 9784582312249 。『捜神後記』は、日本語訳書の中では当時最も多い61則を収録。底本は『津逮秘書』、太平広記等で校勘。p.468-469 に『捜神後記』解題を掲載。
- 先坊幸子森野繁夫 編訳 『捜神後記』 2008年 白帝社 ISBN 9784891749194 。底本は『学津討源』。
注・出典
参考文献
- 国民文庫刊行会 編「国訳漢文大成 第十二卷」、国民文庫刊行会、1920年、doi:10.11501/1913008、NDLJP:1913008。
- 明毛晉輯「津逮祕書 第155-157冊」、doi:10.11501/2551942、NDLJP:2551942。
- 劉斯倫「『津逮秘書』所収の『秘冊彙函』版について」『慶應義塾中国文学会報』第1巻、慶應義塾中国文学会、86-119頁、2017年。ISSN 2432-8936。CRID 1050282813933941632。
関連項目
- 陶淵明
- 志怪小説
- 捜神記
- 津逮秘書




