五月ヶ丘古墳(さつきがおかこふん、五月ケ丘古墳)は、大阪府池田市五月丘にある古墳。形状は円墳。池田市指定史跡に指定されている。
概要
大阪府北部、猪名川東岸の五月山丘陵南麓の尾根上に築造された古墳である。これまでに墳丘は大きく削平を受けているほか、1973・1979年(昭和48・54年)に発掘調査が実施されている。
墳形は円形で、直径約8メートルを測る。埋葬施設は無袖式の横穴式石室で、南方向に開口する。石室全長は3.5メートルを測り、石室内には長さ2メートルの陶棺が据えられる。築造時期は古墳時代終末期の7世紀代と推定される。被葬者は明らかでないが、秦氏一族(中間階層)とする説が挙げられている。
古墳域は1980年(昭和55年)に池田市指定史跡に指定されている。
遺跡歴
- 1955年(昭和30年)、古墳として発見。
- 1973年(昭和48年)、確認調査(大阪府教育委員会)。
- 1979年(昭和54年)、池田市立歴史民俗資料館建設に伴う再調査、復元整備(池田市教育委員会、1980年に報告書刊行)。
- 1980年(昭和55年)3月24日、池田市指定史跡に指定。
出土品
石室内からの出土品は次の通り。
- 陶棺 1 - 棺身のみ。家形四柱式で、復元長約2メートル。
- 須恵器 1 - 追葬時の遺物か。
これらの出土品は、現在では池田市立歴史民俗資料館で保管されている。
文化財
池田市指定文化財
- 史跡
- 五月ヶ丘古墳及び出土遺物 - 1980年(昭和55年)3月24日指定。
交通アクセス
- 鉄道:阪急電鉄宝塚本線 池田駅(徒歩約15分)
脚注
参考文献
(記事執筆に使用した文献)
- 史跡説明板(池田市教育委員会、2001年設置)
- 地方自治体発行
- 『五月ヶ丘古墳(池田市文化財調査報告 第3輯)』池田市教育委員会、1980年。 - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
- 『新修池田市史 第1巻(地理・考古・古代・中世編)』池田市、1997年。
- 『古墳時代の猪名川流域 -猪名川流域に投影された畿内政権の動静-(池田市立歴史民俗資料館平成22年度特別展)』池田市立歴史民俗資料館、2010年。
- 事典類
- 高島徹「五月ケ丘古墳」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607。
関連文献
(記事執筆に使用していない関連文献)
- 『池田市史 史料編 第1(原始・古代・中世)』池田市、1967年。
関連項目
- ウィキメディア・コモンズには、五月ヶ丘古墳に関するカテゴリがあります。
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