リヴィング・イン・ア・ボックスLiving in a Box)はイギリスのシンセポップバンド。1985年結成。ブルー・アイド・ソウル系として、80年代後半から活動した。

概略

1985年、イングランド・シェフィールドにて結成。メンバーは、マンチェスター出身のリチャード・ダービーシャイア(V,G)、サンフランシスコ出身のマーカス・ヴェアー(Syn)とアンソニー・クリッチロウ(D)の英米混合の三人構成。1987年のファーストシングル「リヴィング・イン・ア・ボックス」はイギリスやアメリカでトップ40入りし、バンドの最も成功したシングルとなった。活動期間は短く、2枚のアルバムを残し1990年に解散。

経歴

ボーカルのリチャードはもともと、 80年代初頭に活動した「ズーズー・シャークス」というバンドのフロントマンであった。ズーズー・シャークスはレコード会社EMIと契約し、3つのシングルをリリースしたが、その後リチャードが脱退。ソロアーティストとして歌手のテッサ・ナイルズに曲を書くなどしていた 。

1985年、その頃まだ駆け出しのバンドだったアンソニーとマーカスの二人は、クリサリス・レコードのスタジオでデモのレコーディング中、同じスタジオでリチャードが自身の歌を歌っているのを聴き、レーベルに、彼をバンドのボーカル・ギターにしてくれるよう依頼。リチャードはその頃ヴァージン・レコードからも契約の依頼を受けていたが、5年契約でバンドのメンバー入りを決める 。また、その前からバンドが取り組んでいたトラック「リヴィング・イン・ア・ボックス」の名をとって、それをそのままバンド名とした 。

1987年、バンド名を冠したデビューアルバム『Living in a Box』をクリサリス・レコードよりリリース。プロデューサーはスパンダー・バレエ、キム・ワイルドなど多くのアーティストをプロデュースしたリチャード・ジェームス・バージェス 。他のブルー・アイド・ソウル系のアーティスト(カルチャー・クラブやスパンダー・バレエ)と比べて遅めのデビューではあったが、アルバムはその年の全英アルバムチャートで25位に達し、 全米では89位を記録。またアルバムからのセルフタイトルシングル「リヴィング・イン・ア・ボックス」は同年の全英シングルチャートで5位、8月22日の ビルボードホット100では17位に達し 、そのほかドイツ、スイス、スウェーデンでもトップ5を獲得 。またアメリカの ソウル歌手ボビー・ウーマックによりカヴァーもされ、初登場にして成功を収めていた。

2年後の1989年にセカンドアルバム『Gatecrashing』を発表。プロデューサーはメンバーと、アメリカの人気歌手ダン・ハートマン(1950年-1994年)などが担当。アルバムは前作の記録を上回り、 全英で21位をマーク。1stほど注目はされなかったものの、アルバムには、 ロックバンド「クイーン」のギタリスト、ブライアン・メイがギターとして参加した「ブロウ・ザ・ハウス・ダウン」(全英10位)や「リヴィング・イン・ア・ボックス」と並んで全英5位のバラード「ルーム・イン・ユア・ハーツ」を特色としていた。

日本でも少なからず人気もあり、「ベッド・オブ・ローゼズ」が日本でのみリリースされている。また87年の8月26日には音楽番組「夜のヒットスタジオ」に出演。代表曲「リヴィング・イン・ア・ボックス」を披露した。

アメリカでは、唯一の全米トップ40入りだった「リヴィング・イン・ア・ボックス」以降のヒットが無く、人気も早くに終わってしまった。

翌年の1990年、所属していたレーベルがEMIの傘下に入る。 バンドは続くサードアルバムの制作に取りかかるも、新しくなったレーベル人員からの「サウンド面」についての注文がバンドとの間に不和を生じさせ、うんざりしたリチャードはグループを脱退。サードアルバム完成前の1990年に解散した。

解散後

解散後、マーカスとアンソニーは音楽業界を引退。アンソニーは自身の設立した照明会社を運営している。

リチャードはその後も音楽活動を継続。イギリスのシンガーソングライター、リサ・スタンスフィールドや Level 42などのアーティストに曲を書き、自身も2枚のソロアルバム「How Many Angels」(1994)や「Love will Provide」(1999)をリリースしている 。 2004年の12月16日にはメンバーが再び集まり、ロンドンのウェンブリー・アリーナにてライブを行い、ヒット曲「リヴィング・イン・ア・ボックス」、「ブロウ・ザ・ハウス・ダウン」、「ルーム・イン・ユア・ハーツ」のコンサートをしている。

メンバー

  • リチャード・ダービーシャイア ( Richard Darbyshire 、1960年3月8日 - ):ボーカル、ギター。
80年代の初めに活動した「ズーズー・シャークス」の元 ボーカル。そのバンドのシングル「Love Tumbles Down」は、スペインで1位を獲った。また日本に住んでいた事もあり、そこの米軍基地でマーヴィン・ゲイ、アル・グリーン等のソウルミュージックを聴き、魅了される。
  • マーカス・ヴェアー (Marcus Charles Vere 、1962年1月29日 - ):シンセサイザー
  • アンソニー・クリッチロウ (Anthony "Tich" Critchlow 、1958年3月1日 - ): ドラムス

ディスコグラフィー

アルバム

  • Living in a Box (1987年)
  • Gatecrashing (1989年)

コンピレーション・アルバム

  • The Best of Living in a Box(1999年)
  • The Very Best of Living in a Box(2003年)

シングル

  • 1987年 - Living in a Box
  • 1987年 - Scales of Justice
  • 1987年 - So the Story Goes
  • 1988年 - Love Is the Art
  • 1989年 - Blow the House Down
  • 1989年 - Gatecrashing
  • 1989年 - Room in Your Heart
  • 1989年 - Different Air

脚注

注釈

出典

関連項目

  • ブルー・アイド・ソウル
  • ジョニー・ヘイツ・ジャズ - 同じくブルー・アイド・ソウルのグループ
  • ボビー・ウーマック
  • ボーダフォン - 2013年に、バンドの曲「リヴィング・イン・ア・ボックス」がCMに使われた。

外部リンク

  • livinginaboxmusic.com - バンドの公式サイト。
  • discogs.com - バンドのデータベース。
  • allmusic.com



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